言い方で人の感情は揺さぶられる。相手を否定せず、共感できる言葉で。
「あなたの海を売ってください」といった男は追い返され、
「共存共栄の輪をつくりましょう」といった男は受け入れられ、洋上風力発電の建設につながった。
「あれが悪い」「これを直さないといけない」と言ってきた業者には大憤慨して、
「私たちが大事に育てていきます」と言ってきた業者にはマンションを値引きして売った。
違う話ですが、どちらも「言い方」によって決断が変わっています。
「あなたのやり方は間違ってるから私がうまくやってあげるよ」という言い方は反発を生み、「あなたに一緒に寄り添いたいんです」という言い方は共感を呼ぶ。
これはすごーく大事なこと。
私も大失敗しそうになった経験があります。
プロジェクトの相手先から、それまでに積み上げてきた内容をひっくり返す提案がでてきたので、変更した場合に目標のほとんどの部分が未検討事項になるという表を作成したところ、他のメンバーに
「手持ちに置いておくのはいいけど、成績表のように見せられたら相手は受け入れられないよ。」と止められました。
振り返ると、「この時点で内容を変えるなんてありえない。証拠を見せて論破してやる」という傲慢な気持ちがありました。それじゃあ、うまくいかないですよね。
止めてもらえてよかった。
自分の考えを否定されたら、誰だってまずは嫌になるもの。よりよい提案を出したいという気持ちは同じでも、「あなたと一緒に」の気持ちをどれだけ持てるか、そしてそれを相手にどれだけ伝えられるかが大事です。言い方には気を付けないと。