Umeko's diary

育児も仕事も大切。日々の出来事や、習ったことから得た気付きや学びを書いていきます。

他者にどう相対していくか2。本の感想:他者と働く

多様性が大事な今だからこそ、あらためて他者にどう相対していくかを考える機会の2つ目。

それは「他者と働く」。 他者と違うことに気づいて価値があることに気づくクロスロードダイバーシティに対し、ではどう対処すればよいかについて書かれたのがこの本です。

 

ビジネスの課題には既存の方法で解決できる「技術課題」と、なんかよくわからないけど関係性がこじれて起こる「適応課題」があり、より解決が難しいのはこの「適応課題」。適応課題は、物事を解釈する枠組み「ナラティブ」が人によって異なることから生じています。

適応課題を解決するためには関係性を改める必要があります・・・っていうけど、考え方が違う人に合わせるのはしんどい

 

他の人との関係には二つあります。

  1. 立場や役割によって道具的にふるまうことを要求する「私とそれ」。
  2. 相手の存在が代わりの効かないものであり、自分の中に相手を、相手の中に自分を見出す「私とあなた」。

私は、自分の好きな人たちとは「私とあなた」の関係を築いています。でも苦手な人と仕事をしなければならないときは、あまり時間も心も使いたくないので、あえて「私とそれ」の立場をとっていました。

 

適応課題の解決には自分のナラティブと相手のナラティブの溝に橋を架けることが重要。その第一歩は相手を変えることではなく自分のナラティブを変えてみること

ではどうすればよいか?

プロセスは4つに分かれます。

  1. 準備:相手と自分のナラティブの溝に気づく。
  2. 観察:相手の言動や状況を見聞きし、溝の位置や相手のナラティブを探る。
  3. 解釈:溝を飛び越えて、橋が架けられそうな場所や架け方を探る。
  4. 介入:実際に行動することで橋を築く。

 

ポイントは「相手をよく見て、相手の立場に立ってみること」、そして繰り返すこと。介入した結果をまた観察して解釈、介入につなげていきます。

自分の提案に同意してくれなかった上司にムカッと思っても上司には立場があって言っているのかもしれない。

部下に対して正しいことを言ったとしても、それは正しい言葉で平手打ちになっていないか。

自分のナラティブを脇に置くと、自分が自分のナラティブでものをみていたことがわかります。

 

昨日、アメリカの担当者との会議がありました。

事前に「設定されている要求を満足していないから対応を考えて!」と言われて多くの質問があったので、「要求を満足しないと実施できないと無理をいわれるのではないか」と、なんとか論破しようという心構えで臨みました。

ところが、いざ会議が始まると資料をほとんど説明する必要もなく、「こういう方法も考えてみたけどできないか?」「できない理由を教えてくれないか?」「なんとかしてできるようにするため、一緒に最善策を考えよう」と言ってくれました。質問からも、よく資料を確認し、その上で私たちの立場に立って考えてくれていることがよくわかったので、一部の提案を取り入れて合意することができました。

相手が自分達の立場を理解してくれている、と思うとよりよい解を求めていこうという気持ちになります。

 

反論・反対されると心がざわつきますが、「私とあなた」という関係でとらえて、相手にただ合わせるのではなく、相手の立場に立ってみる。

難しいけど、されてみると気分がよくてすごく効果的だと実感したので、実践していきたいです。