強くなければ生きていけない?弱さが生む寛容な社会。弱みを見せるのもいい。
「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない。」
私立探偵フィリップ・マーロウの有名な言葉です。
強くありたい、優しくありたい。特に仕事を始めてからはそういう気持ちになることが多いです。
ところが!弱くていいんだよ、というロボットが!
ロボットは人間よりもある点で優れていて、その「強み」で私たちを助けてくれるものというイメージです。でも、豊橋技術大学の岡田先生の開発するロボットは人が助けてくれないと機能を果たせない。
人がごみを拾ってくれないと機能できないごみ箱ロボット。
部分的に物語を忘れてしまう読み聞かせロボット。
思わず人が手を差し伸べてしまう弱弱しさ。これが人の寛容さを生み出すと、岡田教授は言います。
確かによちよちと歩いている子供を見ると、思わず笑みを浮かべながら手を差し伸べてしまいます。
ロボットが完ぺきなものだと思っていると、ちょっとうまく動かなかったり、思ったような結果が得られないとイライラしてしまいます。ところが最初から「できなくて当然だよね」と思えば、要求水準が下がって寛容になれる。
自分が強くあろう、優しくなろうと思うけど、そう思うと他の人に対しても強く、優しくあることを求めてしまいます。これって優しくない。
自分の弱さを共有して助けを求めたり、人の弱さに寛容であることも、目指す姿の一つですね。