「北斎づくし」:死ぬまで変化し続ける熱情がカッコイイ
9月17日まで東京ミッドタウンホールで開催されていた「北斎づくし」展。
人生これから、まだまだやれることはあると焚き付けられました。
北斎漫画、富嶽三十六景、富嶽百景、椿説弓張月の挿絵が一覧でき、北斎のシンプルで力強い画力、描きこまれた人物の指先まで富士山に視点を集めるしかけになっているような構図の妙に圧倒されました。
たくさん線が描きこまれているわけじゃないのに、びょおという突風や、陽気な拍子木の音、潮風の匂いなどを感じさせ、五感に訴えます。
展示室のデザインも北斎にどっぷり集中してひたれてとてもよかった。
だけど一番の驚きは、北斎の熱情。
富嶽百景のあとがきでは「70歳以前に描いた絵は取るにたりない」と述べ、90歳で死ぬ間際になって、「あと5年生きられれば本当の画家になれたのに」と語る。
いつまでも変化を楽しむ、追求を続ける姿がとにかくファンキーです。さすが画狂老人卍(75歳からの画号)。
超売れっ子で、ヒット作を次々生み出して、江戸中に自分の絵があふれてて、弟子も何百人といて、平均寿命をとっくに超えていても「自分はまだまだ」と変化・チャレンジし続けるってめちゃかっこいい。
平均寿命の半分もいっていない自分なんてまだまだやれることたくさんあるじゃん!めざせ、北斎。