Umeko's diary

育児も仕事も大切。日々の出来事や、習ったことから得た気付きや学びを書いていきます。

「庵野秀明展」:天才を創る努力と、後進を育てる心意気

庵野秀明展に行きました。


庵野さんといえば、エヴァンゲリオンでカリスマ的人気がでたし、よくわけわかんない続編でも出すものすべてヒットしまくるし、映画でも成功しちゃうし、天才なんでしょ、とちょっと斜めに見ていましたが・・・すごかったです。

 

有名な方の企画展が行われる場合、関連するグッズや完成品がこぎれいに並べられていることが多い。

でもこの展示では、膨大なメモ、しかもキレイではなく、裏紙への走り書きやいたずら書きのようなスケッチに圧倒されました。

表に出ない(少なくとも多くの視聴者は気にもとめない)、足首の関節のどこまでが可動域か、ブルーウォータは光の加減でどう面が入れ替わるか、影の位置、「チョイネコ背」など、指定がとにかく細かい。

当然、展示されていたのは一部で、その何千倍ものメモがあるはず。

ああ、この人は天才ではあるけれど、それを形にするには膨大な努力・積み重ねがあったのだ、と。それを考えずにただ「天才、いいなあ」と思っていた自分が恥ずかしくなりました。

これは北斎づくしでも感じたところ。結局数は正義。


もう一つ、強く強く感じたのは、庵野さんは後進を育てたいんだろうなということ。

この展示会では、一部の映像や版権がらみ以外は自由に写真が撮れました。自分がどう作品をクリエートしてきたかを見せるって、勇気がいるし、企業秘密。一緒に仕事をする仲間ならともかく、一般に公開する。その意図はなんだろう、と考えながら回っていたら、20代前後の少年たちが、クロースアップで写真を撮りまくっているのに気づきました。

記録に残す、SNSに上げる、なら数枚でいいのに、何枚も何枚も。おそらく彼らはその製作過程から学んでいくんだろうな、とすとんと腑に落ちました。

すると最後に、「自分たちがいなくなってもアニメや特撮を継承したい」ということで組織を立ち上げたというパネルがありました。

 

なんとなくの印象で人を決めつけちゃいけない。物事をなす人にはそれだけの理由がある、そう考えさせられる展示会でした。

今は大分、次は大阪で開催されるようなのでぜひ。