Umeko's diary

育児も仕事も大切。日々の出来事や、習ったことから得た気付きや学びを書いていきます。

【海外赴任】意思決定には権限移譲と繰り返し

アメリカの相手先に、とても尊敬している方がいます。知識と経験があるだけでなく、問題が起きたときの対応が素晴らしいのです。

 

1. 自分で決める

問題について自分の納得がいくまで十分に各担当者に確認する。何時間でも。そして、すべての報告を受けた上で、詳しい担当者の提案とは異なっていても、自分で決めます。

この「自分で決める」というのが、私は苦手です。特に新しい分野では、自分より経験がある人が決めた方がよいのではないか、これが最善の解なのか、とすぐに弱気になってしまいます。もともとの性格に加え、日本の「コンセンサス(合意形成)文化」の下で甘えて、決断する機会が多くなかったことも影響していると感じます。

そのため、常に短時間で自分で決めることを繰り返す姿に感銘を覚えます。 

 

2. プログラム全体を見る視座の高さ

私たちが関わっているのは国際プロジェクト。米国側の利になることを優先するのではなく、プロジェクトにとって一番よい、フェアな判断をしてくれます。それが「彼が決めたなら(自国が優先されなくても)仕方ない」という各国の納得と信頼につながっています。

また、私は問題が起きるとそこだけにリソースを集中すべき!と思いがちですが、動いているべきところを維持するためのリソース分配も見事です。

 

3. 怒らない、焦らない

どんな大変な状況でも怒らない、焦らない。

曖昧なことを言うと厳しく問い詰められるけど、感情に任せて怒ることなく受け止めてくれると知っていると、みんなが発言しやすくなります。

また、数十年で初めてという問題が起きた時、情報も少ない中の記者会見でも、参加メディアの質疑応答を打ち切ることもなくすべて受け、わからないことはわからないといいつつ、持つ情報をきちんと説明されていました。後から聞いたら「大変だったー」と言っていましたが、微塵も感じさせない落ち着きっぷりと、誠実な態度は、大きな安心感につながりました。

 

持って生まれた資質が、決断を繰り返す中で磨き上げられ、かつ繰り返しで積み重なった周囲の信頼がよりよい結果を生み出していました。

この決断の繰り返しを可能とするのは権限委譲。ある日、彼が議長をする会議に彼のボスがやってきましたが、判断はすべて彼が行い、ボスは口を出すことさえありませんでした。「この会議での判断は任せる」というぶれない権限移譲は次のボスを育てます。

 

いつかは彼のようになりたい!今の仕事は小さいですが自分の所掌で判断する機会に恵まれています。人にゆだねたくなる怖気心をぐっとこらえて、決断する習慣を重ねたいものです。