私の常識は20年前で止まっていた!FACTFULNESSと2030年の世界地図で思い知る。
アフリカの子供たちは貧困でかわいそう、男女の教育格差はすごく大きい、世界の多くの人々はまだ電気も使えない・・・
そんな考え方はもう過去の話。世の中をきちんと見るためには自分の中の常識をアップデートしていく必要がある。
そう思わせてくれたのがこの2冊。合わせて読むと、いかに自分の常識が古かったかを思い知らされました。
FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
- 発売日: 2019/01/01
- メディア: Kindle版
FACTFULNESSは私たちが世界を誤解をしてしまう原因となる10の本能について語られています。
- 分断本能:世界がドラマチックに二極化していると思ってしまう。実際は世界の大半はほとんどが「中間層」にいる。
- ネガティブ本能:「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み。でもいまや世界の平均寿命は72歳。欧米の30年前の状況と今のアジアの状況は同程度。
- 直線本能:「世界の人口はひたすら増え続けている」というのは思い込み。すべての線の動きを直線で想像しがち。女性一人当たりの子供の人数は、この50年で5人から2.5人に急減。豊かになれば子供は減り、人口増加もゆるやかになる。
- 恐怖本能:「地震で9000人亡くなりました」と報道されても、同じ10日間で汚染水により9000人が亡くなっていることは報道されない。リスクは危険度x頻度なのに、ほとんど起こらないことに恐怖してしまう。
- 過大視本能:目の前の数字だけが大きく見える。「二酸化炭素をたくさん出している中国やインドはけしからん!」と言うより、国民一人当たりで考えてみよう。
- パターン化本能:一つの例がすべてに当てはまるという思い込み。ペンキを塗りなおしていない病院はお金がない・・・のではなく、金持ちを敬遠させてリソースを多くの人に使うという戦略。
- 宿命本能:「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み。アフリカはいつまでたっても貧困だ、というのは思い込み。数十年でビジネスの中心になる。
- 単純化本能:30歳の男性が受けている学校教育の期間は10年間。女性は・・・9年間。一年短いだけ。一つの視点だけでは世界は理解できない。
- 犯人捜し本能:「誰かを攻めれば物事は解決する」という思い込み。毛沢東が中国の出生率減少に影響していると思っていませんか?一人っ子政策は毛沢東の死後に導入、出生率にもあまり影響していない。
- 焦り本能:「いますぐ手を打たないと大変なことになる」と思うと冷静な判断はできない。現代の生活は差し迫った危機はほとんどないから、自分の焦りに気づくことが大事。
2030年の世界地図では、世界を変えるテクノロジーや新しい経済を紹介し、地理的・時間的に横断して未来の姿を見せることで、アジア、アフリカ、ヨーロッパの変化と戦略がつかめます。人口が増えていくアフリカは、助ける相手ではなく、ビジネスの大きなマーケットなのです。
子供の頃、海外旅行にいくと「すべて安い!」と驚いたものです。ところが最近は、どこにいっても日本と大きな物価の差は感じず、「円が弱くなったのかな」と考えていました。違いました・・・各国が進んでいるのです。
私の子供のころからは数十年も経っているのですが変化しているのが当たり前なのに、自分の中でのイメージがいかに変わっていなかったことか。
子育てだって、そうです。
「なんでYou Tubeばっかり見てるかな」「小中学生からLINEとかいいのかな」と、自分の頃とは違う子供たちの行動が目に付いていましたが、違って当たり前!
今の常識に目を向けず、自分の頃との比較ばかりしていると、心配の方向性がずれてしまいますね。
世界は進化している。わかっているつもりで理解していなかったその事実を、事実として受け止めて日常のとらえ方から自分自身をアップデートしていかないと、「いまどきの若いもんは」って言っちゃうようになるんだろうな。